神の目から見たリーダーシップ

      
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2015年12月15日に祖母が召されました。
葬儀では、牧師や教会の人たちによって祖母の主に仕えた足跡が語られました。
1時間近くも、祖母がいかに人々に仕えることに打ち込んだかが話されました。
祖母は仕える人でした。
私が生まれた日から、彼女は私のために仕えてくれました。
私の家族、いとこ、おば、おじなど、親戚だけでも60人近くの人々のためにも彼女は仕えました。
論争や仲たがいが起こった時にも祖母は誠実でした。

ある日、どうして仕え続けることができるのかを尋ねると、祖母は「イエス様が私をここに置かれたのだから、私自身にはここでの奉仕をやめる権利はないのよ」と答えました。
イエスは「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、皆に仕える者になりなさい」(マタイ20:26)と言われました。
肩書はありませんでしたが、祖母はリーダーでした。

「あなたがたの間で一番偉い人は、一番若い者のようになりなさい。上に立つ人は、給仕する者のようになりなさい。食卓に着く人と給仕する者と、どちらが偉いでしょうか。食卓に着く人ではありませんか。しかし、わたしはあなたがたの間で、給仕する者のようにしています」(ルカ22:26-27)。

普通に考えれば、イエス様がおっしゃったことはばかげていると思えます。
偉くなりたいなら、一番下の者にならなければならない?
自分を無にして、どうやって偉くなれるのだろうか?
でも、イエス様はご自身の謙遜さを身をもって示してくださいました。
ピリピ2:6-7には、イエス様が神としてのあり方を捨てられないとは考えずに、ご自分を空しくして、しもべの姿をとってくださったと書かれています。

この世は、リーダーになりたい人であふれています。
人々はなんとかして前に出たい、上に立ちたいと奮闘していますが、イエス様の望まれることは明らかです。
もし上に立ちたいなら、下に行きなさい、と。
イエス様はリーダーシップよりもサーバントシップ(仕えること)について多く離されました。
私たちが他の人々に仕えること、支えることで忙しいなら、その過程で私たちはリーダーになっているのです。

「仕える」の元のギリシヤ語は"diakonos”で、「伴う、牧する、他の人の願いを実現する」という意味です。
これが仕えることであり、同時にリーダーの最も基本的な定義です。
リーダーとは自分の利益を求めず他の人の利益を求める人です。

イエス・キリストは歴史上最も偉大なリーダーですが、それは彼が最も偉大なしもべだったからです。
マルコ10:45では、イエス様は「人の子も、仕えられるためではなく仕えるために、また多くの人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるために来たのです」と言われました。
この奉仕と犠牲により、私たちは今こうして生かされています。

私の経験から言うと、前に立ちたいと思わずにただ他者を助けたいと願う人たちを、神様はしばしば前に立つようにされます。
神の目には、真のリーダーシップは承認を得ることでも称賛を受けることでもありません。
他の人々に仕えることなのです。
残念なことに、多くの人たちは承認や賞賛を得るほどには真のリーダーシップに関して関心を示しません。

レイチェルという宣教師の話を思い出します。
彼女は宣教地で素晴らしい奇蹟を目にし、彼女自身も神様によって多くの人の癒しと解放のために用いられました。
しかし本国に戻ってからは看護助手として働きました。
仕事の中には、便器をきれいにするというものもありました。
便器を掃除しながら、ある日彼女は主に祈り叫びました。
「あなたは私を世界中で用いられました。奇蹟や人々が救われ癒されるのを見てきました。それなのに、私のその後はこれですか?便器の掃除なのですか?」

主は彼女に語られました。
「レイチェル、これらの便器を私のために掃除してほしい。プライドを捨てて、この便器を使っている人たちに謙遜に仕えてくれないか。この仕事を、私のためにしてほしいのだ。」
レイチェルは泣きながらひざまずき、悔い改めました。
そして祈りながら便器を掃除するようになりました。
すると、その便器を使っていた人たちに一人、また一人と奇蹟が起こりました。
まさにしもべの心を持つことによる力でした。
彼女が自分自身から他の人々へと焦点を移し態度を変えたことで、神様が祝福したいと思われる人への癒しのために用いられたのです。

リーダーになることや前に立つことに一番の関心を持つよりは、偉大なしもべの心と思いを持つ者であるようにと願ってください。
純粋で謙遜な心で仕えることができるようになればなるほど、神様の目にあなたはリーダーとして映ります。
そしてあなたを用いて神様が他の人をますます祝福することができるのです。


Melba L. Henderson 著述家、講演家。Milwaukee Give(クリスチャンの救済団体)の創設者、World Outreach and Bible Training Centerの創立者。牧師アーヴィン・アンダーソンの妻であり、5人の子供と2人の孫がいる。

Just Between Us 誌 2019夏号より翻訳    
Copyright 2019  Melva L. Henderson. Translated from Just Between Us, 777 S. Barker Road, Brookfield, WI 53045

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