2018/11/21

借り物の心配 Secondhand Worry






他人の問題を心配していませんか?
  バーブ・ルーズ 



他の人の問題を、あなたはつい心配してしまいますか?

ある日、友人のレアがもう限界だと言って電話をしてきました。
しかし、それは彼女自身の悩みではなく、成人したレアの子どもの問題のためでした。
息子の罰金を彼女が払っており、息子が刑務所に入れられるのではと恐れていたのでした。
レアは、同じく成人した独身の娘が思いがけない妊娠をし、経済的に不安定であることで夜も眠れなくなっていました。
両方の子どもの状況に、レアは感情的にも経済的にもほとほと疲れていました。

子どもたちの問題についてのレアの心配は「借り物の心配(secondhand worry)」として知られています。
他者の煙による受動喫煙のように、借り物の心配をする人は他人の問題を心配しイライラするか、あるいは自分が肉体的・感情的に影響を受けるかしてしまいます。


あなたにはこれらに心当たりがあるでしょうか。
  • 息子が理科の宿題を終わらせないので、落第して次学期に影響が出るのではないかとイライラし困っている。
  • 30歳の妹は自由を満喫しているが、健康保険にも入らず金の無心をしてくるので心配している。

私たちが借り物の心配から解放されないと、どうなるでしょうか。
他人の責任を自分が負うことになります。
さらに悪いことに、その人たちが自ら学ばねばならない人間関係・経済的・霊的な人生の過程を、気づかないうちに奪ってしまうのです。
(回復の原則をご存知ですか。借り物の心配は共依存関係を生じさせ、助長させうるものです。)


ヨシュア記9章には、イスラエル人が約束の地に入ってきたこと、エリコとアイの戦いに勝利したことを、カナンの地に住んでいたギブオンの住民が聞いたという記事があります。
ギブオン人は殺されるのではないかと恐れ、「彼らもまた計略をめぐらし、変装を企て」ました(ヨシュア9:4)。

ギブオン人は使者をヨシュアと族長たちのところに送りました。
自分たちは平和の盟約を結ぶために遠い国から来たのだ、とイスラエル人に言いました。
ヨシュアが旅人を調べると、古びた服装をし古びたぶどう酒の皮袋を持っていました。
族長たちは再度使者を疑い、すぐそばに住んでいるのではないかと尋ねました。
神が、カナンに住む民とは盟約を結んではならないと禁じられていたからです。
しかし、ギブオン人はとても遠くから来たと言って、イスラエル人にうそをつきました。
彼らの話は恐れと心配に満ちた、長く詳細なものでした。


私たちは自分と関係のある人が個人的な責任で悩んでいるとき、その悲しい話を額面どおりに受け取りがちです。
気の毒に思い、助けたくなります。
しかし、話の細かい部分に関心を持ち過ぎると、事実を見失ってしまいます。
これまで出会った失業中の人が、今回の失業は自分のせいではないと長々と話すのを何度となく聞いたのではないでしょうか。
10代の子どもが宿題を忘れた言い訳をし、自分に対する教師の不公平な扱いに長々と文句を言うのを何度も聞いたことがあるのではないでしょうか。


ヨシュアとイスラエルのリーダーたちはギブオンの住民の話をうのみにし、信じたことによって重大なミスをしてしまいました。
ヨシュア記9:14には「そこで人々は、彼らの食料のいくらかを取ったが、主の指示をあおがなかった」とあります。

その結果、イスラエルはギブオン人と盟約を結びました。
間もなく、ヨシュアと族長たちはだまされたことに気づきました。
イスラエルの人々はリーダーたちにとても腹を立てました。なぜなら、不従順がどれほどの災いをもたらすかを知っていたからです。
ともかく、恐れと心配からイスラエル人をあざむいた人々を生かしておき、将来まで面倒を見ることになりました。
借り物の心配をすることは短期的にも長期的にも関係者全てが犠牲を払うことになります。


あなたが借り物の心配によって振り回されるかもしれない、4つの兆候

  1. いつも無責任な態度を取る人の行動、経済問題、未熟さのために、あなたがストレスを感じたり、夜眠れなかったりする。
  2. ある人の代わりに言い訳をしたり、金銭を与えたり貸したりしてその人を助けている。
  3. 何かを失ったり将来の機会を逃したりするのではないかと心配なので、ある人が困難や失敗を経験することを恐れている。
  4. その人ががっかりしてあきらめてしまったらどうしようかと心配で、本人の葛藤を見たくない。


借り物の心配から解放されるためにはどうしたらよいでしょうか。

子どもの一人のことで心配していた時、この「借り物の心配」で私の心はいっぱいになりました。
彼女は医者の下した診断に関して葛藤を覚えていました。
それまでにも大きな戦いがあっただけに、私は彼女の今後の人生が順調にいくようにしてやりたかったのです。
しかし、彼女の人生について悩み心配することで私はへとへとになりました。
そこで助けを求めてクリスチャンカウンセラーの元に行きました。
ティムというカウンセラーの唯一の問題は、私を全く慰めてくれなかったことでした。
彼はその代わりに、問題を正そうとして娘の人生に神の役割を果たそううとすることをやめるようにと言いました。
彼は、借り物の心配の解決法だと思える知恵をもって私に挑戦してくれました。
「私たちは、その人たちが神が必要だということに気づくようにしてあげなければなりません。」

ティムの助言に従えるかは、娘が高校3年生の時に試されました。
娘は突然宿題をしなくなり、高校の卒業が危ぶまれたのです。
その時、親である私たちは彼女の未来についての心配をゆだね、彼女に関して神に信頼しなければなりませんでした。
夫と私は一歩引いて、娘と先生のやりとり、そして娘自身の決断を見守りました。

素晴らしい結果になりました!
高校卒業後の進路は変更しなければなりませんでしたが、人生を軌道に乗せるために娘は一生懸命に努力しました。
私たちが一歩引くことで、彼女は神に従って人生を歩むことができました。
4年後、彼女は自分の大好きな仕事をし、いきいきと成長して歩んでいます。

もし、あなたが誰かの人生で神の役割を果たそうとして働きすぎ、本人がひざまずいて神様に呼び求めることを妨げているとしたらどうでしょうか?

あなたが配偶者、子ども、友人たちの人生で神の役割をしている限り、彼らは自分の必要がわからないし、プレッシャーを感じることもないでしょう。
しかし、請求書を未払いのままにし、車が担保にとられるままにするなら、無責任から生じる当然の結果に彼ら自身が向き合い、彼らが自分の愚かな選択に伴う痛みを扱うことになるのです。

落第したり留置所で数日間過ごしたりすることは、愛する人が神様に叫び求め、無責任な人生の歩みをやめる転換点となるかもしれません。
もちろん、その人たちが無責任な行動のせいで苦しむのを見ることは辛いことです。が、そのあやまちから学ばず何度も何度も苦しむことの方がもっと悲劇的です。

さあ、神様が必要だとその人が気づくために、あなたが手放すべき人は誰でしょうか。



Barb Roose:女性どうしがつながること、女性と神様とがつながることに重荷を持つ講演者、執筆者。女性たちがキリストにあって強められ建て上げられ、勝利の人生を送るようになることを願っている。国内外の聖会や集会で女性たちを教え励ますことが喜びである。近著に Winning the Worry Battle:Life Lessons from the Book of Joshua(「心配という戦いに勝つ:ヨシュア記から学ぶ人生のレッスン」、バイブルスタディーも同時発刊)。


Just Between Us 誌 2018秋号より翻訳     


Copyright 2018 Barb Roose. Translated from Just Between Us, 777 S. Barker Road, Brookfield, WI 53045


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