漠然とした願い(1)




夢は大きく、神様の促しに耳を傾けながら。


Jan Frans


あなたは自分の墓標に、どんな言葉を刻みたいですか?
私は定年退職する前からそれを考えてきました。
引退したクリスチャンの友人たちが、旅行や孫と過ごす完全な自由を楽しんでいるのをフェイスブックで見かけます。
それらをうらやましいことだと思いつつも、「私はそれでよいのか」と自分に問いかけます。

私は、同じ質問を大学2年生でクリスチャンになった時に自分にしました。
無視しようとしましたが、その問いは私の耳に大きく響いてきました。「それでよいのか」。
その日のうちに、私は聞いた福音に応答し、イエスに従う決心をしました。後戻りはしませんでした。

あっという間に43年が経ちました。
私は教師を退職したところでした。
これからどうする?それでよいのでしょうか?

引退した最初の年は、リップ・バン・ウィンクル(W.Irving作『The Sketch Book』の主人公。20年間眠り続けた後で目覚めた)のようにただただ眠り、思春期の11,12歳を長年教えてきた疲れをとりました。
でも、私は変わることのないこの漠然とした願いを持っていました。
在職中、恵まれない家庭の子どもたちは学力的に落ちこぼれることが少なくなく、それは子どもたちの将来を左右する結果になると思われました。
助けを必要とする地域の人たちのために、クリスチャン・地域のリーダー・志のある市民が一緒になって何か始めることができないか、と夢見ていました。
落ちこぼれた子どもたちへサポートと希望を与える方法を生み出して、地域への愛を示したいと願っていました。
「引退した教師たちは個別指導者やメンターとして子どもたちによい影響を与えることができるのではないかしら」と思いました。

世間では、クリスチャンは何かに賛成するよりも何かに反対運動を起こすことで知られているようで、そのことにも悲しみを覚えていました。
私は、人々のいるところに出て行かれ、人々を愛された福音書のイエスの姿をいつも愛してきました。
クリスチャンと、信仰のあるなしにかかわらずよい志を持った人々とが共に行動できるようにしたいと思い続けてきました・・・でもどのようにすればよいかわかりませんでした。


立ち上げる

退職して2年目に、私が住むミルウォーキー地方で非営利団体の活動をする友人と協力することになりました。
私たちは、イエスの愛が驚くべき方法で広がっている非営利の活動現場のいくつかを視察しました。
私が学んだことは、始めは、だれも自分たちが何をしているかわからなかったということでした。だれ一人として!
彼らはみな普通の人々でしたが、勇気をもって冒険することを選びました。
全員が、何かよいことをしただけであり、神様がしていくにつれて必要を与えてくださったのでした。
それで、私は自分の夢を暖め続けました。

引退生活3年目になって、紅海が二つに分かれるとは想像もしないまま、つま先を水の中につけてみることを決心しました。
私は地域監督庁に勤めるクリスチャンのところに行き、両親が経済的困難で個人指導を受けさせるゆとりのない家庭の子どものために個人指導センターを始めたいと話しました。
彼女は地域のトップの一人のところに私を送りました。
その人は、かつてこうした子どもたちに個人指導をする人材をあちこち探し、あきらめかけていたところでした。
私たちは意気投合し、「オアシス・プロジェクト」が誕生しました。
希望と将来が必要な人たちにとってのリフレッシュできるよき場所となってほしかったので、この名前をつけました。 (続く)

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Just Between Us 誌 2017 秋号より翻訳     
Copyright 2017 Jan Frans. Translated from Just Between Us, 777 S. Barker Road, Brookfield, WI 53045

Original title: Wild Ideas

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